新しい月を迎えて

クリスマスの喜びを大切にしながら新年を

新しい月を迎えて

202412pct01クリスマスおめでとうございます。

アドヴェント(クリスマスを待つ期間)が終わり、クリスマスが始まりました。
キリスト教のクリスマスのお祝いは、12月24日のクリスマスの夜(Christmas Evening)から1月6日(公現日)まで続き、救い主の誕生を祝いつつ新年を迎えます。
周囲では、クリスマス当日が終わると急に年末年始の準備に慌ただしくなる様子もありますが、保育園ではクリスマスの喜びを大切にしながら新年を迎えたいと思います。

先日、おこなわれたゆりばら組のクリスマス会では、松戸教会礼拝堂で保護者の方とともにクリスマス礼拝をささげました。
5歳児が中心となって演じたページェント(イエス・キリストの降誕劇)は、アドヴェントが始まった12月初旬から準備を始め、子どもたちが楽しみながら主体的に取り組み、ひとり一人の賜物によって「本当のクリスマス」が大切に届けられました。
生活を共にして、そばでその姿にふれてきたゆり組も、聖歌隊として加わったり、自分がばら組になったらやりたい役をみつけたりと来年のクリスマスを今から楽しみにしています。

2千年前、救い主イエス・キリストの誕生は馬小屋での出来事でした。
そしてその誕生の知らせは、当時、弱く貧しく小さな存在とされていた羊飼いに一番先に告げられました。
私たちは、毎年クリスマスを喜び祝いながら、神さまの愛が弱く貧しく小さなものへ常に注がれていることを心に留めます。
キリスト教保育をおこなう私たちは、その愛とまなざしに倣い、子どもの心身の成長に仕えるものとして務めていきたいと願っています。

今年一年、保護者の皆様のご理解とご協力に心から感謝申し上げます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

「みちゃだめ。あっちにいって」

新しい月を迎えて

202410pct01心地よい秋風を感じるようになり、嬉しそうに散歩の準備をする子どもの姿がみられます。
夏の間も様々な挑戦や失敗を繰り返し経験しながら、心身共に成長した子どもの姿をとても頼もしく感じます。

~エピソードより~

ある日、ひとりの男の子が、自分の大切なものを仲よしの友だちにみせるため、そっと鞄に入れて登園してきました。
男の子は早速友だちを誘い、みんなから離れたロッカーの後ろで嬉しそうに披露しています。

すると、しばらくして年下の子どもが楽しそうな雰囲気と大切なものの魅力にひきつけられてやってきました。
遊んでいた3人はあわてて箱の中に戻そうとしましたが、引っ張りあいになり箱が破れてしまいます。

すると、1人の子どもが年下の子どもの前を断ちふさぐように両手と両足を広げてたち、
「みちゃだめ。あっちにいって」
と大きな声で叫びました。
さえぎられた年下の子どもは、大切なものを触りたい一心で泣きながら手を振り上げました。

その様子をそばで見守っていた保育者は、振り上げた子どもの手をそっと止めながら「そうだよね。○○くんも遊びたいよね」と代弁しました。
その後、保育者を通して交渉が始まりますが、男の子は「だって、○○組にはみせたくないだもん」と強い口調で主張を続けながら自分の鞄に戻し、しばらく鞄があるロッカー前から離れようとしませんでした。
その様子に、保育者もそれ以上言葉を加えることなく泣いていた子どもの気持ちを受け止めながら別の遊びへ誘っていきました。

このエピソードには、それぞれの子どもに心の動きがあり、そこに寄り添う保育者のまなざしがあります。
保育者が「保育園にはおもちゃを持ってきてはいけません」と伝えてしまえば、子ども同士の小さなトラブルは防げたと思います。
しかし一方で、この経験を通して子どもは多くのことを感じたでしょう。
保育園は、子どもたちが安心して多くの経験を積んでいく場所でありたいと願っています。

今後も、地域とともに

新しい月を迎えて

202408pct01猛暑の夏を迎え、毎日のように熱中症警戒アラートが発表されています。
夏の過ごし方も数年前とは大きく変わり、保育園でもいかに健康管理をしながら夏の生活を楽しむか話し合いを重ねています。
この時期は急な体調不良を起こしやすいため、大人も子ども不調のサインを重く受け止め、心身の休息をしっかりととることが大切です。
また、不調を言葉で伝えることができない幼い子どものサインに留意し、些細なことでもいつもと違う様子を感じた場合は、ご家庭と保育園で共有し連携しながら保育をおこなっていきたいと願っていますのでご協力ください。

今年度からはじまった「保育参加」も3回目を終え、参加された保護者の方にも好評をいただいております。
家庭での様子とは違うお子さまの一面をみていただき、リアルな保育園生活を体験していただくことにより、子どもの育ちが家庭だけでなく社会と共に育まれていくことを感じていただけると幸いです。奮ってご参加ください。

また、保育参加と同様にスタートした取り組みとして、毎月保育者がほっとるーむ松戸(松戸市地域子育て支援拠点事業)にでかけ、未就園児の親子に保育園の生活、玩具や遊びの紹介をする取り組みを継続的に行っています。
今や、保育園は自園にとどまることなく様々なかたちで地域と連携し、子どもの育ちを支える役割を担っています。
そして、その働きが自園の子どものより善い環境づくりにもつながっていると感じます。
今後も、地域とともに歩む保育の在り方を考えるとともに、子育て家庭のよき伴走者としての務めに尽力していきたいと願っています。
ご理解とご協力をよろしくお願いします。

ありのままを

新しい月を迎えて

202405pct01 連休開けの子どもたちは、家族と楽しく過ごした出来事を嬉しそうに伝え合いながら日常の園生活に戻っていきました。乳児クラスでは、家庭でゆっくりと過ごしたことで久しぶりの登園に涙をみせつつも、すぐに保育者のもとを離れて笑顔で遊び始める様子がみられました。子どもにとって家庭でのゆったりとした時間と関わりは、何よりの栄養だと感じます。
 先日、新入職員研修会で法人の理念を学ぶなか、「愛の原体験」を語り合う機会がありました。遠い記憶としてとどめられていたその感覚を改めて言葉にすることによって、私たちもまた、愛される喜びを知る一人として子どもに関わるものであることを深く心に刻むときとなりました。 
 子どもたちは、家庭と園での生活において様々な関わりをもちながら成長していきます。時には思うようにいかない葛藤や悲しい経験もしますが、ありのままを受容され愛されている感覚の積み重ねが、成長の土台となっていくことを私たち大人は心に留めて過したいと願います。
 今月から、「保育参加」が始まります。保育の中に入っていただくことを通して、子どもの心の成長や葛藤を共に感じていただけると幸いです。

経験の積み重ねの大切さ

新しい月を迎えて

202404pct01 お子さまのご入園ご進級おめでとうございます。
遅い桜の開花と共に新年度の一週間が過ぎ、慣れ保育の時間も少しずつ長くなった0歳児の元気な泣き声が響くようになりました。昨年度末から新たな環境で過ごし始めた子どもたちは、探索をしながら新しい玩具で広くなった保育空間を満喫しています。クラスの枠を超えた異年齢での関わりや、子どもが主体的に遊びやその空間を選ぶ取り組みを続けてきたことにより、年度替わりの新しい環境も大きな混乱なく自然に受入れて過ごす子どもたちの姿をみると、「アタリマエ」を超えた経験の積み重ねの大切さを感じます。
 今年度は、新たな取り組みとして、「保育参加日」をもうけました。保護者の方にも保育に参加していただき、子どもと一緒に遊びながら園生活や子ども理解を深めていただけたらと思います。また、地域の方の見学日とあわせて情報交換の場や給食の試食会も計画していますので、是非ご予定ください。
 今年度も、お子様やそのご家庭の安心となる保育運営に努めて参りますので、保護者の皆様のご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

「あなたはだいじょうぶ」と

新しい月を迎えて

202403pct01 寒暖差の激しい日々が続いていますが、木々の芽吹きや暖かい日の風の香りが春を知らせてくれています。

 保育園では、9日(土)に第21回の卒園証書授与式が予定され、卒園児の巣立ちの準備を始めています。緊張しつつも少し誇らしげな表情で式練習に臨む子どもたちをみながら、初めて家庭から離れて保育園で過ごした姿を思い出します。不安で涙しながらも保育園を安心な場所として受入れ、好きなことや好きな友だちをみつけて笑顔になっていく子どもの姿は保育園全体の大きな喜びでした。しかし、子どもたちにとっての長い園生活は、笑顔だけでは過ごせない様々な出来事や経験も多くあります。思いが伝わらない苛立ちややりたいことがうまくいかない悔しさ、友だちとの関わり方など、成長と共に様々な葛藤がありました。それら一つ一つを乗り越えていくために、どれだけご家庭の励ましと支えがあったことでしょう。たくましく成長した子どもたちの姿に、私たち保育者は多くのことをおそわりました。

 社会では、育児の情報があふれ、子育ての正解を求めて迷い、情報通りにいかない子育てに疲れてしまう育児が増えています。しかし、子どもがどんな状況にあっても、ありのままを受け止め、「あなたはだいじょうぶ」と励まし続けるご家庭の愛情こそが、子どもの未来の礎となり糧となるのだと思います。そして、保育園もその一端を担わせていただく働きに努めていきたいと願います。

 保護者の皆様には、今年度の保育園運営にご理解とご協力を賜りまして心より感謝申し上げます。

子どもたちと共に祈る時を

新しい月を迎えて

202401pct01 新しい年を迎えました。休み明けに登園した子どもたちが笑顔で新年の挨拶を交わす姿に喜びと感謝があふれます。元旦に発生した能登半島地震で多くの方が被災され、今この時も様々な不安を抱え困難な状況のなかで生活されていることに心が痛みます。4・5歳児の礼拝では、被災された方々のことを思いながら子どもたちと共に祈る時をもっています。被災された方々が心身共に安心して過ごせる日常が戻ることを心から祈りお見舞いを申し上げます。
 被災地では、保育施設も避難所として用いられたとの話がありました。保育園は緊急時の避難場所としての役割だけでなく、被災した家庭の子どもたちの居場所や心の安定を支援していく場所としても備えていくことの重要性を感じます。そのために、これからも保護者の皆様、そして地域の方々との関係を深めていく保育運営を大切にしたいと考えます。
 本年も、子どもたちとそのご家庭、関係者の皆様の健康が守られることを心から祈り、よりよい保育運営に努めていきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

クリスマスの平和

新しい月を迎えて

202312pct01

アドヴェントクランツにあかりがつくと 神の子イエス様のお誕生が近くなる
まことの光 イエス様のお誕生をみんなが待っていますみんなが待っています
アドヴェントクランツにあかりがつくと 神の子イエス様のお誕生が近くなる

子どもさんびか『アドヴェントクランツに』より

 アドヴェント(待降節)に入り、子どもたちは週ごとの礼拝で増えるキャンドルの灯りを楽しみにしながら過ごしています。今週は、4本目のろうそくに灯りがともり、いよいよ25日にはクランツの中央にある白いろうそく(イエス様のろうそく)に灯りをともしてクリスマスを祝います。保育園では、クリスマスを待つアドヴェント期間に、多くのことを子どもたちと考え祈りながら過ごしてきました。

病気でつらい思いをしている人のところにもクリスマスの喜びがあるように。
戦争をして体や心が傷ついている人のところにもクリスマスの喜びがあるように。
さみしさや苦しさをもっている人のところにもクリスマスの喜びがあるように。

 本当のクリスマスの平和は、すべての人に希望と喜びをもたらします。私たちはクリスマスの平和を願い、自分だけの喜びでなく自分以外の人に向ける思いやりや祈りをもってクリスマスを迎えたいと思います。
先日、4.5歳児のクリスマス祝会がおこなわれ、5歳児によってクリスマスページェント(降誕劇)がささげられました。2000年前の時代背景や自分が演じる役の気持ちを想像し、緊張しつつも一生懸命演じる姿は会場にいる多くの方々の心に響き、クリスマスの喜びを共にすることができました。どうぞ各ご家庭でも素敵なクリスマスをお迎えください。

多くの恵みに感謝しながら

新しい月を迎えて

202311pct01 「木枯らし1号」の知らせを耳にすると、思わず『北風小僧の寒太郎』の歌を口ずさみたくなります。幼い頃に季節と共に味わったり楽しんだりした経験は、長い年月が経っても毎年その季節と共に原風景としてよみがえり心が温かくなります。子どもたちの未来にもそのような瞬間があることを想像しながら、この実り豊かで美しい自然を存分に感じ、子どもと共に多くの恵みに感謝しながら毎日を過ごしたいと思います。
 10月末に年長児ばら組が矢切にあるサツマイモ畑にお芋掘りにでかけました。一面に広がるサツマイモ畑で、子どもたちは存分に思いのままサツマイモ掘りをおこない、2時間近く夢中になって掘り続ける子どもや、畑の中の虫やうまれたばかりのねずみの赤ちゃんを見つけたりと小さな命にもふれることができました。楽しくそして貴重な経験の場となりました。
 持ち帰ったお芋は、焼き芋にして分け合って食べたり、クラスのクッキングや園内交流での芋スタンプに使うなど、11月下旬まで多くの収穫物をもちいた食育として展開していきます。様々な経験を通して、食を分かち合う楽しさや喜びが心の栄養としても育まれていくことでしょう。
 インフルエンザ、胃腸炎等の感染症が流行する時期です。子どもの体調について平常時との違和感を見逃さないようご家庭と園との連携を大切にしていきたいと思いますので、ご協力をお願いします。

我が子の重み

新しい月を迎えて

202310 10月に入り、急激な気温の変化がみられています。近隣でのインフルエンザ多発情報に緊張感をもちつつも、子どもや職員の体調管理をより丁寧におこないながら、秋の自然を存分に楽しみ、豊かな実りに感謝して過ごしたいと思います。
 9月末におこなわれた3歳児から5歳児の『わくわくプレイデイ』では、それぞれ1時間という短い時間のなかで、親子のふれあいと子どもの成長の喜びが凝縮したとても楽しいひとときとなりました。ご参加くださいました保護者の皆様に心から感謝申し上げます。特に親子体操では、子どもが保護者の方に全信頼をおいて様々な動きに挑戦し、保護者の方もその信頼を全身で受けとめながら大きく成長した“我が子の重み”を感じておられる姿がとても印象的でした。
 子育てにおいて、必要に応じたスキンシップは数えきれないほどありますが、無条件のスキンシップは子どもの成長と共に減少傾向にあるといわれます。しかし、人が育つうえで精神的(心の)成長や脳の発達に一番重要なことは、触覚経験(触れること、触れ合うこと、触れられること)を保障することです。乳幼児期に無条件のスキンシップを多くとることは、親子の絆をより深めるだけでなく、子どもの心身の成長に大きく関わるのです。「読書の秋」「スポーツの秋」「食欲の秋」と様々に秋を楽しむ中で、子どもとのスキンシップを存分にとれる機会をつくってみてください。
202310pht01

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